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はっぴゃくよんじゅうご

日記とは到底言えない承認欲求のための文章が転がる予定

注目されてほしいマンガたち―①市場クロガネは稼ぎたい

どうも。
マンガのお話です。

市場クロガネは稼ぎたい(作者:梧桐 柾木) 少年よ、大金を抱け!? 学園マネーゲーム開幕!! #市場クロガネは稼ぎたい #MangaONE http://manga-one.com/info.php?title_id=8

マンガワン、アプリからしか見れないので、面倒な人は「裏サンデー」でググって1話を見てみてください。マンガワンだと時間制限付きですが全部読めるので、そっちのがオススメではありますが。

さて、この市場クロガネは稼ぎたい、なのだが、絵柄的にも一見すると少年マンガっぽい。この話は、ひとつの島が学園都市になっており、この島では通貨は「学円」しかなく、それは学生たちで自ら部活動(扱いとしては現実世界の会社のようなもの。たとえば新聞部や服飾部など。株式発行もできるなど、実質経済にかなり近いかたちになっている)で稼ぐ。その学円で経済は回っており、学生のみでその島の経済を回しているのだ。
基本的に話は非常にわかりやすく、そういう意味では少年マンガだし、僕も最初読んでいる時は普通の少年マンガかと思っていた。
しかし読み進めていくと、経済に関してわりと深く書かれていくことがわかる。M&Aや株式、財務諸表、ベーシックインカムなど、少年マンガにしては深く書かれており、そのわりにはめちゃくちゃわかりやすく、かつ「説教臭く」書かれていないのだ。
こういう学問が関わるマンガで難しいのが、どうも一部でその学問を教えることが先行してしまい、説教臭くなってしまうことがある。しかしこのマンガは、絶対にそうはならない。話の軸をしっかりと残しつつ、うまくその経済的な話をマンガのネタとして昇華しているのだ。
僕的には、まず13限目(13話)ぐらいまでは読んでほしい。僕的に「ほほう」と思った第一段階なので。ここで僕は「そこらへんの少年マンガ」から「より深く人間を描く少年マンガ」へとランクをあげた。そこらへんの少年マンガ、とは、まあ少年マンガだし人間の描き方はこんなもんでいいでしょ、って止まっているマンガのこと。そのノリで読んでいて、「はいはい、これで解決ね」とか思っていると裏切られる。イメージしていた少年マンガよりも、人間の描写を一歩踏み込んで描いてくる。

で、深く人間を描く、というところで大事なところが、人間の暗いところの描き方なんですよ。僕の言う「そこらへんの少年マンガ」だと、そこが甘いんです。明るい部分を理想論で描いていくために、どうしても暗い部分を一部無視していく形になる。
このマンガも、1話だけ見ると「ただ稼ぐだけのマンガじゃん」と思いがちなんですが、このマンガは「稼げなかった人」=凡人側の意見も描かれているんですよね。
そこらの話は35~45話辺りを読んでいただければ。そして山場である50話。ここらが一番おもしろいです。
経済の話になると、「持つもの」「持たざるもの」の話がちょくちょく出てきますよね。つまり、環境や才能に恵まれた人と、そうでない人のこと。最近のマンガとして多いのは、そうでない人側の意見を取り入れていることが多い。あんまりにも理想論語りすぎるマンガは、いくらマンガといえどもいやあり得んでしょって読者に切り捨てられてしまう。それだけ現在の人々が持つ不信感や現実に対する失望感が強いんだと思います。そういった時代らしいマンガって感じですね。「稼ぐ」ということに切り込んでいった作品です。

僕が評価する少年マンガというのは、「少年マンガ的な、サクサク読む読み方もできるし、かつ深い考察もできるマンガ」であり、マンガとはそうあるべきだと思っています。
これはマンガとして非常に面白い上、経済的な考察の深さも目を見張るものがある。
どちらの読み方でもオススメなので、ぜひ。
(マンガワンは基本無料で、初回三時間読み放題、で、一日に計20分無料時間が配布されるマンガアプリです。毎日4,5話ペースで最後までタダで読めるので、是非使ってみてください)