どうするニンテンドー~ソシャゲとのんびりは合わない~
「どうぶつの森 ポケットキャンプ」は、シリーズの魅力である“スローライフ”を“労働”に変えた
この記事を読んだ。
たまたま「ポケ森、なぁんかようわからんけど作業ゲーっぽくてやだなー」と僕も思ってたところだったので、それを解消させる意味も含めてなんか書きたくなりました。
それで、ポケモンGO、マリオランから今回のポケ森まで、ニンテンドーの様子をみてて、色々思うとこあったので書こうと思います。
○そもそもソシャゲについて~コンシューマーゲームとの違い~
ややこしくなるので、ここでの「ソシャゲ」の意味を一旦定義しておきます。
・ガチャがある
・連続ログインボーナスとかある
・期間限定イベントとか期間限定ガチャがある
だいたいこんな感じ。
まあおそらく世間で言われてるソシャゲとそんな変わらないとは思うけれども。
んで、これらの共通点ってたいがいが「時間縛りがある」ってことなんですよ。
(特定のゲームの画像使うと直接批判してるみたいで嫌なんでGoogleの検索結果そんま貼りました)
連続ログインとか、期間限定イベントはいわずもがな。もちろんそれを放棄すれば問題ないんでしょうが、そういったところで今後のゲームの進行に有利なアイテムを配布したり、そこでしか手に入らないアイテム・キャラクターを配布するので、それらを放棄する場合、ゲームを放棄するに等しい。「いやいやそれなくてもやっていけてるよ」って言う人もいるのかもしれませんが、僕の感覚としてはこの「期間限定イベント」とかに力をいれてるソシャゲは多い印象です。ここで稼ぐ、といいますか。少なくとも、期間限定イベントに参加しないなら、連続ログインはしないときつい、くらいの印象はありますかね。
で、ガチャについてですが。
これも一種の時間縛りです。ガチャを引くには有料課金か、ガチャに必要なアイテムを集める必要があります。しかし、製作側としてはこれが大きな収入源になりますので、このガチャが引けるアイテム(以降ガチャ石、と呼称します)はただではそうそう入手できません。たくさんゲーム内に溢れてたら課金してくれませんからね。だから、とても時間をかければ手に入る、というパターンが多いです。一個一個はすぐ手にはいっても、ガチャを引くには何百と必要だったり、といった形で。
で。僕はソシャゲのここいら、あんま好きじゃないんですが、まあこれはこれでソシャゲの収入サイクルだし、それに納得して払ってる人がいてサイクルが回ってるわけなので、これはこれで…………ってのはあると思うんです。コンシューマーゲームと違うわ!!といわれても、これはこれで別のやり方でしょ、という考え自体は否定しません。
ただ、今回、コンシューマーゲームとソシャゲの大きな違いを一個だけ言わせてほしい。
のんびりプレイはできない
これはあると思います。
先ほど述べた時間縛りがほとんどの場合ありますから、「いつでもどうぞ」みたいなことはなかなか難しい。
基本的に、ゲーム内の動きをある程度制約して、「お金か時間で何とかしなさい」というものなわけです。
そして、「皆が手軽にできやすいように……」を考えた結果、「操作が簡単!!」「やりやすい!!!」という方向に走り、時間をかけてやるにしてもあまりにも単調すぎてまるで作業…………虚無……………みたいなことが多いです。ソシャゲ黎明期(モバゲータウンが流行ったガラケーメインの時代)とかはボタンタップするだけでステージ進むとか多かったですね。自由度があまりにもない。皆が皆時間かけてやって、お金一切かけずにやってしまったら経営なりたたんですからね。
つまり、ソシャゲかつ、自由度が高い…………そしてのんびりできる……………というのは、基本的になかなか両立しずらいわけです。
まあそれに対抗して、ニンテンドーが買いきり型のマリオランだとか、コロプラの白猫(時間で回復するプレイ回数、みたいなものがなく無限にできる)とか、アナザーエデンや崩壊3rd、リネージュ2みたく本格的なコンシューマーゲームに近い形を出して作業感を減らしたりしてるので、ゲーム業界もなんとかしようとはしているんですよね。
(個人的に好きな崩壊3rd。これがスマホでそのまま動くのはわりと頑張ってると思う)
しかし基本スタンとしてどのスマホゲームも「ある程度の制約をして、その解除にはお金がいるよ」という感じだと思います。その「ある程度の制約」のさじ加減が違うのです。それがかなり大きな違いを生むと僕は思っています。
○ポケットどうぶつの森も「さじ加減」の問題
さて、今回とりあげたポケットどうぶつの森(以下ポケ森)も、たいがい言いたいことは冒頭の記事の人がいってくれたんで深くは言わないんですが、さじ加減の問題なんですよ。
おそらくニンテンドーがだしたソシャゲなんで、マリオランとかの影響受けてるんちゃうかなーとはおもいます。あれもプレイにめちゃくちゃ制限かける代わりに「一回払ったらすべて自由にできるよ!!!」という形にしたわけで、ほぼ普通のコンシューマーゲームと変わらないです。ただそれ以上に今までのソシャゲ方式が購買欲をあおるんで、そっちの方が売れちゃうんですよね。明確なソースはないですが、マリオランは結構「失敗した」みたいな声が上がりますが、一方普通のソシャゲ同様に課金型にしたファイアーエムブレムは結構売れてるみたいですから。
んで、今回のどうぶつの森で、あんまりにも無制限(買いきり型であとは自由、とか)にゲームができるようにするわけにはいかず、ある程度の制限と課金が必要………………
で、今回みたいに「作業ゲー!」とか言われることになったんだと思います。制限をかけすぎなんだと思います。
だからもうちょっと制限を解く、つまり無料でできる幅が広がればそういう批判もなくなるのかなとは思います。
○ソシャゲの悲しい現実
とはいえ、だからといって「無料でできる幅を広げよう!!」となるか?という点は、僕は"可能性は低い"とおもっています。
もともとファイアーエムブレムも原作ファンからかなり批判を浴びましたが順調に売り上げを出しています。それだけ今はコンシューマーゲームが売れず、ソシャゲ課金の売上がめちゃくちゃ出る時代です。
今回のように、「前のどうぶつの森と違う!!!!」というのは、ファイアーエムブレムと同じルートをたどっている気がしていて、いくら元のファンが文句をいっても、金を払う人々が出てくるんじゃないのかなぁと思います。そして、その金を払う人々に合ったものを作る形になるんじゃないかなぁと。いくら言ってもあくまでも企業ですし、売上がなきゃ話にならんですからね。
ただし。
ニンテンドーとしても、以前から課金型のゲームに否定的でしたし、これから他にスマホにゲームを出すにしても、課金型ゲームにコロッと衣替えすることはないとおもっています。マリオランの不調、スマホ版ファイアーエムブレムの好調………そういうものに板挟みになって苦悶した上で今回のような形にしたんでしょうし。
任天堂 ガチャ課金に対して「射幸心を煽り高い収益性が得られても長続きしない」 | ガジェット通信 GetNews
(決算発表でここまでいうのは相当ですよね)
これから色々ニンテンドーさんは悩まれると思います。
ポケットどうぶつの森、ならびに、ニンテンドーのスマホゲームの展望を期待しています。
~おわり~