ばしこ氏のブログ

月間10万PVありがとう。Twitterの話題を中心に「ちょっとこれ、どうなんだ」というネタに切り込んでいきます。      言葉が死ぬ前に、残しましょう。

攻殻SAC2045は、いったい何がしたいかわからない

はじめに:この文章の意義とスタンス

僕は攻殻機動隊が好きだが、SACの中身を全然わかっていない。

色んな人が密度の高い批評や分析を載せているが、そもそも文学的知識(サリンジャー)や政治的知識(公安の立ち位置、その他省庁や国同士の利権問題など)にかなり疎いからだ。

だから僕がSACを見た時はこんな感じだった。

 

笑い男…ってやつが黒幕なんだって

サリンジャーを引用?しているんだって!(それ以上は話せない)

・なんかかっこいいセリフ~!

・SF~!

・なんかスパイ活動している~!

・でもなんか他のヤツより深そう!何回か見てると発見がある!

 

いわばまあ、僕は攻殻ライト層であり、コア層ではない。まあこのくらいの理解度なので、作品考察とか、そういうことはあんまりできないので、最初は文章を書く気がなかった。だって、僕より理解されている方々が文章書いているわけだし…

ただ、今回の「攻殻機動隊SAC2045」は制作側のスタンスとして「SACみたいな難しい話、わかんないよね…簡単なライト層向けのものを用意したよっ!これでどう?」と言われている気がした。

 

https://news.yahoo.co.jp/byline/iidaichishi/20200422-00174601/

これは飯田一史による批評である。一部を引用する。

(すでにリンクがキレているが…)

 

つまり、『攻殻』に「新しさ」と「考えさせられること」を求めているなら肩透かしを喰らうだろう。

しかし原作にしろ押井版にしろ、四半世紀以上前の作品にもかかわらず、いま触れても難解な部分がある。

(中略)

とはいえ『攻殻機動隊』が生まれて約30年経つ。過去作をまったく知らない若い世代や、「なんか難しそう」「観てみたけどよくわからない」と敬遠してきた人たちもいるだろう。

そういう人たちにとっての「入り口」としては、『2045』はちょうどいい密度なのかもしれない。

(中略)

初心者、SF初心者向けに振った作品なのだと捉えれば、こういう『攻殻機動隊』もアリだろう。

これからもさまざまなタイプの『攻殻機動隊』を作っていくために、一度「誰でもわかる」濃度で初見者のためにリブートしたのだと解釈したい。

 

正直、これを読む限り、明らかに飯田氏は納得していないし、とても初心者向けに作ったとしてもいい作品とは思っていないと思う。

”入り口としてはちょうどいい密度なのかもしれない”とか”「誰でもわかる」濃度で初見者のためにリブートしたのだと解釈したい”とか「納得いかねえけどこういうことにしとくしかないでしょ~」という感覚を感じる。

だからあえて言おう!僕は攻殻初心者だが……つまんなかったよ!!

この文章は「もし制作側が初心者向け・攻殻ライト層向けに作っているなら、僕はライト層だけどつまんなかったよ」ということと、「これ本当にライト層向けに作ってていいの?/本当に作っている?」ということを、ライト層から切り込んでいく、という主旨で展開していく。

 

先に感想言っておくと「中学生向けの攻殻?」って感じです。

 

 

記事文字数にして12000文字前後の長長編ブログになっていますので、適宜飛ばしつつお読みくださいませ。

また、既に「攻殻機動隊 SAC2045」を見たこと前提となっているため、未視聴の場合内容が分かりづらいかと思いますのでその点ご了承ください。

 

公式サイト

www.ghostintheshell-sac2045.jp

 

僕が感じた違和感と、その分析

というわけで、僕が「なんか違うなあ」とか「つまらんなあ」と思ったところを上げていく。最初はともかく、「なんか詰まってない」「チープ」というのが感じた印象である。物足りない、圧倒的にSACに比べて物足りない。その物足りなさはなんなのかをここで分析していく。これを書くにあたって、SACを一度全部見返して、SACとSAC2045の違いを比較した。ざっくりとまとめると

①バックボーンをもっと書いてほしい

②ジョン・スミスの描き方と、アメリカとの関係性が雑

③『公安9課』じゃなくて、『ただの傭兵』でいいのでは?

④イシカワの出番がなくない?プリンいる?

⑤タカシくんで3話+それ以降も使う必要ある?(内容がチープ)

⑥1984の出し方、雑!この辺りである。順を追って説明する。

①バックボーンをもっと書いて!全然わからない。

SAC2045のはじめ1~5話あたりは、まあドンパチシーンが多かったので、多少物足りなさがあっても、3DCGを使ったアクションシーンや電脳シーンのおかげで補われていたと思う。

しかし、ジョンスミスが壁の向こうへの砲撃を拘束の理由にした割には、壁の向こうやサスティナブルウォーの話はほったらかし。

拘束される理由たりえるならば、壁の向こうへの砲撃がよほど重要で何かしらの社会情勢が動いただとか問題が起きた~とか、そういう話、ないんだろうか。

特に僕らライト層にとっては、そこは説明がないとさっぱりわからない。そしてサスティナブルウォーの話がナアナアになったかと思えば今度は「ポスト・ヒューマン」が出てきて、そのあと「シンクポル」が出てきて…。なんだか話があちこちに拡散していて、どうも収束する気配がない。一話完結型で任務をポンポン解決していくんであればいいんだけれども(例えば7話の銀行強盗の話とか)、SACなら、そういう一話完結型の話の中からも、SACの世界観がどういったものかを描いていって、じわじわと確信に迫っていくような構成だった気がする。

何も話の確信に迫るものがないのだ。

 

SACの場合、前半の4、5、6話で「笑い男」の話が出てきて、その中でじわじわと笑い男の話がわかり、かつ、そこで事件は解決していない。だから今後も話が続くのだろうと視聴者は予想できる。そのうえ、SACでは謎のピースは存分にちりばめられていた。笑い男初登場のTV映像、会見での笑い男登場、七尾という偽笑い男は警視庁が準備した説……などなど、今後の話の芯をなすストーリーが前半でしっかりと出てきた。

 

一方、SAC2045の場合、前半は別の場所でドンパチやるのがメインなもんだから、サスティナブルウォーがどういうもんかイマイチわからないし、前半6話も使っておいて、わかったのは「ポスト・ヒューマン、やべえ!」ぐらいのことである。せめて前半6話を「サスティナブル・ウォーに直面する少佐たち」といった形にして、後半「ポスト・ヒューマンについて解決を目指す少佐たち」というように、どういう世界観かわかるような話が欲しかった。現状では、僕は「わあ、なんかドンパチやってる少佐~」「わ、なんかジョン・スミスとかいうの出てきた~」「は?ポストヒューマン?」と言う感じだった。世界観がさっぱりわからない。

というかそもそも世界観ちゃんと作ってるんだろうかコレ?

 

②ジョン・スミスの描き方と、アメリカとの関係性が雑

SACならば、6話までの間で既にポストヒューマンのバックボーンやそれを匂わすことまで描いているんじゃないだろうか。アクションシーンが多すぎて、それに説明を割く時間がなさすぎる、というのが①で話した話のメインである。

その中で説明が雑だった一つとして、ジョンスミス周辺の力関係である。

アメリカ合衆国は、いつの時代にも日本より強い力を持ってて、なかなか逆らえないな~みたいな感じ(雑)なのはまあ僕でも一応わかる。けど、だからと言ってジョン・スミスに素直に従いすぎではないだろうか……。

前半6話で、少佐はずっと従っていて、結局最後までトグサと課長頼みで、なんにもやっていない。もちろん、この時はあくまでも傭兵だから、九課のような装備がないにしても、拘束された施設でもっと調べるとか、こっそり探索してジョン・スミスの裏側を調べるとか、なんでここまでポストヒューマンにこだわるかとか、何かやるだろう。

なぜ何もしない?

ここで問題なのは、「さっさと逃げろよ!」という話ではない。

「囚われながらも、裏ではいろいろと調べていた少佐たち」を通して、僕らは「ポスト・ヒューマン」や「サスティナブル・ウォー」、「ジョン・スミス」のバックボーンを知ることができる。

SACなら、そう描いたんじゃないだろうか。

そうして、ジョン・スミスに逆らえない理由を補強したり、今後の話の補強をしたんじゃないだろうか。今見返してみても、3話でバトーが「こいつら…デルタの義体化部隊か…」と言ったくらいで、それ以外にはさっぱりわからない。サスティナブル・ウォーも単語が出てきただけ。ジョン・スミスのプロフィールも不明。

 

イシカワ『ダメだ、ここのセキュリティは固すぎる。突破できそうにない』

素子『これだけの装備…一体どこから調達したんだ?』

バトー『あいつらのバッジ見たか?アメリカ合衆国大統領様直属の部隊だ』

素子『ならこの作戦を止められるのは大統領だけ…』

 

とか

 

イシカワ『ヤツの名前は…ジョン・スミス!?』

バトー『バカ言え。わかりやすい偽名だ。すぐ調べがつくだろう』

イシカワ『いや、それがどこを調べてもヤツの本名が出てこない』

バトー『デルタ関係じゃないのか?』

イシカワ『それがデルタでもCIAでもねえんだ。なにもんだ?』

 

とか、そんなんでもいいけどさ(僕じゃこんなのしか思いつかないけど、これでも多少深めることできるでしょ)、こういうやり取りがない。

ちょっとした会話からワードや登場人物のバックボーンを掘り下げる要素がなさすぎる。

前者はこの作戦を止める難しさが補強される。

後者は、ジョン・スミスが謎の人物であることへの補強がされる。

かつ、ジョン・スミスが九課を拘束し続けられるほどの力があることを補強することができる。しかし、そういったものが全くないまま、なんでかジョン・スミスに前半でもずっと従い、後半でもジョン・スミスに従いっぱなしの九課。だから、「なんで?」がずっと頭に浮かびっぱなしだった。

 

そのあとの8話とか最悪。あれは「トグサの迷いを書く話」であっちゃダメ。

九課の装備が仮に使えそうな状態ならば「ジョン・スミスの裏を暴く話」であるべきである。

何故なら、ジョン・スミスのやり方があんまりにもスマートじゃないし、感情的すぎるから。

ずっと「命令だ」「やって当然だ」と言いつつ、それだけのことを堂々と言える権限がある根拠も、逆にそうやって無理に言い切る(=焦っている)根拠も見当たらない。もし、先の1~6話で「九課のような装備がなかったから情報戦を仕掛けられなかった」と言うのであれば、SACで考えたら、8話は

 

イシカワ『ジョン・スミスは依然名前は不明だが、ポスト・ヒューマン症状が出た義体を製作した、アメリカの義体メーカー最大手のA社でよく出入りしている形跡は見付けた』

バトー『なるほど。A社っていや、世界的に見ても義体メーカーのトップ5には入る大手企業だ』

イシカワ『加えて、現在アメリカは5ヶ国間での経済協定での目玉で、義体輸出の緩和を入れている。もちろんこれはアメリカに利益があるものだが、他国では質の悪い義体が市場を荒らしていることがたびたび問題となっていた。だから品質に保証のあるA社の義体が多く流通するようになれば、他国でのメリットもある経済協定なんだが…』

素子『そのタイミングでの義体の謎の不具合、「ポスト・ヒューマン」ってわけね』

イシカワ『まだ仮定の段階だ。これがA社製に限った不具合かもわからん。ただ、この辺りで何かしらの利権が絡んでいる可能性は高い』

 

とかなんとか、そうやって「ジョン・スミスに従いつつも、実は裏ではジョン・スミスを調べている」といった感じでないと攻殻機動隊じゃないよ…。

必死で隠しながらやる理由(有能な9課を使いつつも消そうとまでしたりしたし)、それがさっぱりわからない。しかも「完全オフラインでポストヒューマンについて分析しています!ハッキングされません!」→「向こうの言葉を解析しようと、その言葉を入力してたらハッキングされました~!」ってめっちゃバカじゃん…。むしろそんなにマヌケなら

 

イシカワ『こいつ…アメリカの国会議員○○の一人息子か』

バトー『○○っていや…一時期大統領選出馬も謳われていた、民主党トップ5じゃねえか』

イシカワ『ただ…いい大学を出たはいいものの、政治手腕はあまり振るわず、各省庁を転々とするも…結果は出ず。いくらボンボンの息子と言えど、限度がある。これが最後のチャンス、として…』

素子『今のポストを与えられた。このポスト・ヒューマンの解決は、彼にとって政治生命をかけた戦いなのね』

バトー『ケッ、そんなやつを長官に据えるたあ、アメリカもポスト・ヒューマンについて大して重要視してねえってことじゃねえか?』

イシカワ『いや、そうとも言えねえ。こいつはマサチューセッツ工科大学義体の研究をしていたそうだ。こいつの研究成果を見るに…むしろ政治家にならず、研究してたほうがよかったんじゃないのか?』

とか

バトー『くっそ~ムカつくぜあの野郎、あのジョン・スミスとかいうふざけた名前のヤローに、一発かましてきていいか?』

素子『それはダメよ。そんなことしたら、我々の首どころか、大統領まで首が飛びかねない』

バトー『なんでだよ!?あいつにそんな力ねえだろ!』

イシカワ『日米安保だ。日米安保地位協定に関する奴らが、トグサを追っていたのは聞いただろ。今現在、大統領は国内の米軍基地完全撤退を本気で目指している。そのために、アメリカに貸しを作っている』

素子『一方でアメリカはそんな状況下で貸しを作りたくはない。しかしポスト・ヒューマンの問題でどうしても頭を下げざるを得ない…』

バトー『またとない絶好の、恩を売る機会、ってわけか……』

素子『そんな状況で破談にしてみなさい、九課なんか即解散よ』

 

とか(ここも僕安保詳しくないから色々怪しいかもだけど)、『ジョン・スミスが無能だけど現在のポストにいる理由』の補強とか(前者)、『ジョン・スミスはどうでもいいけどアメリカに逆らえない理由』の補強とか(後者)、そういうところをしてほしい。たぶんこういうところがないから「なんか詰まってないなあ」と感じたんだと思う。「アメリカが強大である」というのは、流石に自分でもざっくりとは理解するが、だからといって何の説明もなしにあんな無能に従わざるを得ない理由が全く分からない。

 

むしろ、このまま話を展開するのなら『傭兵部隊』でいいのだ。

 

③『公安9課』じゃなくて、『ただの傭兵』でいいのでは?

基本的に「公安9課」とは、公安部隊である。

主に国家体制を脅かす事案に対応するのがメインであり、政治的なテロリズムやクーデターに対応する部隊である。

つまり、ただ「戦闘で勝つ」というだけではなく、必要とあれば「こういった人間がテロリズムをする可能性はないか」と情報収集もする必要があり、ただ命令を受けて何も考えず戦うだけの人員なら、はっきりいって傭兵部隊でいいのである。

②で取り上げた内容を考えれば、わざわざ「公安」が絡む理由が全くもって理解ができないのだ。

無能なジョンスミスに何も言えずしぶしぶ従ったり、それを裏をかこうともせず、ただただ強力な義体(ポストヒューマン)と戦うだけでいいなら、マジで「傭兵部隊」でいいのだ。

 

それは『わかりやすい攻殻』では断じてない。

ただの『攻殻アイデンティティを放棄した雑なアニメ』であり、

それならばサイコパスみたく『似たような全く別物のアニメ』を作れという感じで、攻殻でやる意味がない。

 

他の事件もそうだが、全く政治的な絡みがないものが多く、シンクポルの話も後述するが、あれも別に「子供が発狂した」みたいな感じで、公安9課が絡む案件ではないと思うのだが……。

 

④イシカワの出番がなくない?プリンいる?

先の②を見るに、話の補強をするうえで重要な役割なのがイシカワだ。イシカワが情報を調べたり、いろんなところのロックを解除したりとか、そういうのが、九課だなあ、と思っている。

でもなんかプリンというおちゃらけたキャラがその役を引き継いだりする意味はあるんだろうか……。ただでさえ、バックボーンの書き足りなさ=イシカワの出番の少なさがあるのに、その上にプリンが出てきてしまっているのでもうだめだ。というか、このキャラの必要性がさっぱりわからない。

確かに僕らライト層は、こういうキャラクターを求めることはあるし、実際可愛いと思う。けど場違いすぎる。僕らも公安九課が真面目な難しい話をしている中で「うひょ~!」とシコる気分にはならない。別にこういうキャラを摂取したいならきらら系アニメでも見るし。攻殻にそういうのは見に来ない、別に。むしろこれが完全なAIで

タチコマ『ああ~!僕らの思考を参考に作成した最強のAI「プリン」が~!』

バトー『なあんかお前らに似てるよなあ、と思っていたらやっぱりそういうことか』

タチコマ『バトーさんはこういう女の子が好みかと思っていたんですけどねー』

とかそういう話がないとおかしいなってくらい、めちゃくちゃ不自然、プリンちゃん。ライト層を取り込むためにこんなキャラを出してきても、別に、攻殻には見に来ない……せいぜいエロ同人誌が増えるだけで攻殻のファンは増えない。だって、攻殻2045の芯となるキャラかと言ったら、そういう訳でもないし。

そもそも、江崎プリンが「グリコ森永」と似せている感じがして、何かしら裏があるような気がするが、「裏があるんじゃね!?」とワクワクする魅力がないというか…。

作品全体の出来の悪さを見せつけられているので、むしろ「江崎プリンぐらいに裏あってくれよ」という印象。

 

⑤タカシくんで3話+それ以降も使う必要ある?

ここまで言ったら、だいたいここの不満の理由もわかるだろうか。ぶっちゃけ、タカシ君ってただ中学生が女の子助けたい妄想の中でアプリ作ったってだけで。それって、多くても2話で処理してほしい。それにそんな大きなバックボーン、いるだろうか?

そんな「好きな女の子を助けるために軍隊を目の前に無双する俺カッキー!!!!」みたいな中学生あるある妄想のためなんかに九課を振り回さないでほしいし、先述したようにそれはもう「警察」でやる話で、公安が出張ってくる必要も意味もない。

そもそも、その程度の思想しかない人が、九課の頭脳に勝てるとは考えにくい。中学生の思春期発想それのみで九課を倒せるなら、もう九課さっさと解散してほしい。

もしそれが「ポスト・ヒューマンの力!」というのなら、それは思考の放棄、制作側の説明放棄な気がする。しかも、女の子が襲われたシーンと、タカシくんの過去が全くつながらない。タカシ君がトラウマになったシーンって、ただ妹死んだだけ。別にタカシ君の考え方や動き、想いが干渉していない。ただ巻き込まれただけ。

それってそんなに重要だろうか?

例えば、妹が危ないのに彼がビビッて守れなくて死んだ、とかなら、まだ多少の絡みはあるだろうが、それすらもない。んで、別にタカシ君は「ポスト・ヒューマンで、シンクポルを作った」というだけで、ポスト・ヒューマンの真相を知る人物ではないし、逆にこのSAC2045のストーリーにおいてシンクポルがそんなに重要な要素だったわけでもない。そんな人物に3話も使わなくていいし、しかも「また次のクールに!」ってされても「あっ、そうですか…」としかならない。

 

⑥1984の出し方が雑

さらに拍車をかけるように、1984の出し方があまりにも雑である。

早急に「ポスト・ヒューマン」と「シンクポル」の話題を出しておくべきだった。どうも、「SACの真似をしようとしてコケた」感が否めない。SACの「ライ麦畑でつかまえて」というか。

話の芯がしっかりしていない→そこに突然出てきたシンクポル→そこに突然出てきたタカシ君→そこに突然出てきた1984って感じで、ああ、そうですか…と言う感じ。

サスティナブルウォーなどが1984の「永久戦争」を使っているのもあるから、1984をちりばめてはいるのだけれども、1984はライ麦と違って直接的にSFだから、どうもこの1984がシナリオ全体に悪さをしている気がする。

どういうことかというと、そもそも今までのSACで軸となっていた小説は、「ライ麦畑で捕まえて」と「近代能楽集」であり、当たり前だが、SFには何ら関係ない。だから遠回しに絡めていたが、1984はいかんせんSFであるばっかりに、無理に絡めようとして既存のSACと衝突事故を起こしてシナリオがぐちゃぐちゃになっている印象がある。

 

加えて、あまりにも小説が直接的に登場しており、どうも「こうやって小説を何かモチーフにしたらウケるんでしょう?」という雑感が否めない。

まあ「シンクポル」などの引用はあったにせよ、もう少し自然な形で小説に触れる形にしてほしかった。色んな本棚の中からこの一冊を気に入ったなどではなく、バサッと渡されるのはこう……なんか……あまりにも雑じゃないでしょうか……。

 

「ライト層」向けの攻殻をもう一度考える

さて、前半がっつり考察してしまったので、では改めて、もう少し「ライト層」寄りの視点で考えてみる。まず、僕はざっくりSACについて「なんかわからんなあ」となってしまったことを説明したが、そこをSACを見返して、再度分解して具体的に記述してみた。

米印が入っているものは、一話完結型の話。

・よく内容が分かった話

1話※  公安9課 SECTION-9

2話※ 暴走の証明 TESTATION

3話※ ささやかな反乱 ANDROID AND I

4話 視覚素子は笑う INTERCEPTER

5話 マネキドリは謡う DECOY

6話 模倣者は踊る MEME

7話※ 偶像崇拝 IDOLATER

8話※ 恵まれし者たち MISSING HEARTS

10話※ 密林航路にうってつけの日 JUNGLE CRUISE

11話※ 亜成虫の森で PORTRAITZ

12話※ タチコマの家出 映画監督の夢 ESCAPE FROM

13話※ ≠テロリスト NOT EQUAL

14話※ 全自動資本主義 ¥€$

15話※ 機械たちの時間 MACHINES DESIRANTES

16話※ 心の隙間 Ag2O

17話※ 未完成ラブロマンスの真相 ANGELS' SHARE

18話※ 暗殺の二重奏 LOST HERITAGE

21話 置き去りの軌跡 ERASER

22話 疑獄 SCANDAL

24話 孤城落日 ANNIHILATION

25話 硝煙弾雨 BARRAGE

 

・大筋は分かったが難しかった話

9話 ネットの闇に棲む男 CHAT! CHAT! CHAT!

19話※ 偽装網に抱かれて CAPTIVATED

20話 消された薬 RE-VIEW

 

・全く分からなかった話

23話 善悪の彼岸 EQUINOX

26話 公安9課、再び STAND ALONE COMPLEX

 

●全体を通して

・一話完結型の話は基本分かりやすかった

・やはり笑い男絡みが難しかった

笑い男絡みは「明確にどこが敵になるのか味方になるのか」が分からず、何度か見返した僕がSACを見て戸惑ったのは、「大筋は分かったが、最終的に笑い男の目的が見えなかった」というところだろうか。

 

しかし、そもそも『ライト層向けの攻殻』が現在の構成で必要なのだろうか?

と、言いたいのは、そもそも構成として、上記図を見れば話の冒頭(前半)はほとんどわかっており、後半の詰めになるにつれ「わからない」となっていた。

少なくとも、僕のようなアホでも、「何が詰まっているかはわからんが、『なにか』は詰まっている」ことはわかるので、ちゃんと作りこんでいれば、その『なにか』があることがわかるだけで、十分見続けるモチベーションとなる。

頭っからそもそもどういうアニメか理解できなかった場合、そこで視聴をやめてしまう可能性があるが、攻殻はSACも2ndGIGも

・SAC…笑い男

・2ndGIG…個別の11人、合田一人、クゼ

という軸となる存在が常にいて、そしてそれらの概要は、

しっかりと一つの話の中で理解できるようになっており、

「あ、何かボスとして『笑い男』がいるんだな」という前提がまず頭に入り、その後、笑い男の偽物や、それを利用しようとしてくる何かが出てきて……と、話が展開していくようになっていく。

 

逆に言えば『わかりやすい攻殻作るんならSACと2ndGIGよりわかりやすいの作れよ』って話なんですが全然SAC2045わかりやすくねえよ

って話が言いたいのです。

 

最初にサスティナブルウォーが出てくる。で、それに巻き込まれているらしき若者が出てくる、で、壁の向こうとこちらの隔たりの話が出てくる。

で、それほっといて「ポストヒューマン」が出てくる。

ジョンスミス。シンクポル。1984。

終始話が拡散しっぱなしで、それぞれの要素の説明や補足は一切ない。

話がSACや2ndGIGより全然わからない。

 

『面白いSACの続編』でもない。

『わかりやすい攻殻』でもない。

『つまらんし中身ないしぐちゃぐちゃでよくわからん攻殻』である。

 

これってどこに向けて売っているんですか?

 

 

Production IGと神山健治が揉めた?~制作方針揉めたか~

 

ここまでさんざん叩いてきたが、気になっているのは「なぜ、こんな作品が生まれたか?」である。

わかりやすい攻殻にもなっていない、SACの正当な続編でもない、販売戦略としても、作品作りの観点で考えても、いったい何がしたいかわからない作品になっている。

これでふと思ったのが「内輪もめ」である。

 

そもそも疑問だったのが、神山健治が監督で、1~2話は神山健治が書いているのだが、後は全部他の無名のライター、で、後半になって共同で脚本を書いている。

f:id:wahoo910:20211017170708p:plain

 

これで言うと

「前半だけ神山が書いて後半はすべて後進育成のために新たな人々に任せるつもりだったが、結局途中でヤバいことになり軌道修正に入ったが間に合わなかった」という感が否めない。

後進育成…てのは檜垣亮がIGの人間で、ちまちまとした脚本しか経験していないような印象だったためまあ憶測にすぎないが、少なくとも「何かしら理由があって、神山以外の人間に今後任せたかった」、まあ、正直神山おらんと攻殻作れん、じゃあきついだろうから、他の脚本家の手で作って成功する例が欲しかったんだと思うが、ものの見事に失敗したという印象。

 

www.ghostintheshell-sac2045.jp

 

加えて、2021年11月から新たに公開される映画(※本記事執筆が2021年10月)『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』は、ぶっちゃけていうと「SAC2045失敗したから作り直すわ」と言っていることに他ならないと思う。

本来なら、別に監督を変える必要もなく、タイトルも付け加える必要もなく、ただただ総集編を作ればいいだけな気がするが、実際は「新たなシーンも追加する」とあり、神山も「今回は委ねる」とコメントしており、明らかに神山監督が何かミスをして下ろされたのか、あるいは神山監督がやりたいことができずに神山監督自ら降りるような形をとったのか(自分は後者だと考える)、そのどちらかであると思う。

 

サイコパスに本広監督を引っ張ってきたのが誰かはわからんが、IGの本広監督を引っ張ってきた人間ともめとるんちゃうかという邪推はしている。

理由として、サイコパスは実写系監督引っ張ってきて成功してて、今回のSAC2045も「土城温美」という実写系(演劇含む)監督を引っ張ってきており、この方の実績として引っかかるのはこのあたり。

2016 本広克行総監督作品『踊る大空港、或いは私は如何にして
踊るのを止めてゲームのルールを変えるに至ったか。』脚本
2015 本広克行総監督作品『踊る宣伝会議(略)season2』脚本
2014 本広克行総監督作品『踊る宣伝会議(略)season1』共同脚本

本編(踊る大捜査線)のほうではないにせよ、3年も似たような企画に関わってたのであれば多少は繋がりはあるだろうし、本広監督引っ張ってこれるのならこういった人も引っ張ってこれるだろう。

その上で、今回の『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』も実写映画畑の藤井道人を連れてきている(※ちなみに、アニメは完全に初めての人)

ある程度どこかの「実写畑の人間を使いたい」という思惑(おそらくIG経営層?)が働いていることは否めない。

 

しかし、何も実写畑の人間を連れてくれば成功するという話ではなく、本広監督の演出自体はイマイチ理解しきってはいないが、本広監督自体はアニメが好きで、踊る大捜査線なども「パトレイバーから相当に影響を受けている」というコメントをしているし、そもそも「刑事ドラマ」という点ではサイコパスとは類似が多少なりともあり、全くの大外れの人間を連れてきたわけではない。

 

その点で藤井道人はどうもアヤシイと思うが………。

 

そういう意味では、今後のSAC2045もあまり期待できそうにはない……。

 

 

おわりに:軸を決めよ、攻殻機動隊

僕は何も、制作陣に誹謗中傷を飛ばしたいわけではない。

何か方針があるならば、しっかりとした軸を決めてほしいということである。

だから、別にコアなファンとして「わかりやすい攻殻なんて認めない!!」って話でもないし、逆にライトなファンとして「もっとわかりやすくしろ!!」と言いたいわけでもない。

どちらかの軸がはっきりしていたら、その軸に沿ってみることができる。

「今回は新規獲得のためのライトな攻殻ですよ」と言われたらその目線で見るし、

「SACと全く別路線の新たな攻殻ですよ」と言われたらその目線で見る。

 

しかし、今回は全く軸が分からず、色んな観点で見てみても話の軸がわからず、終始アニメ作品としても何がしたいかわからない、もっとマクロに見てProdaction I.G.の経営的観点で見てもわからない、普通にも楽しめない、と、マジで何がしたいかがさっぱりわからなかったのである。

 

おそらく今度の映画で作り直して再出発を図ると思うので、その再出発では頑張ってほしい……と言いつつ、既にもうあんまり期待していませんが……。

 

 

 

 

 

マキマの心の穴。:マキマ考察日記

マキマって結構悲しい存在だと思うんですよね。

そもそも、こういうボスキャラって心の穴を見逃されがちですし、マキマ自身あからさまな”スキ”を見せるシーンって早々ないんですが、このテの人間ってわりかし現実に存在するので、それと対比していくと結構悲しさが色んなところににじみ出ていると思う。

 

まず、マキマはその存在がゆえに命狙われまくりです。

最初の死ぬシーンでは、新幹線で急に乗客に撃たれますよね。

おそらくこういった経験を死ぬほどしてきているので、まあ死んでも復活できるとしても、隣人を信用してはならんと言う精神は働くと思う。

そうなってくると、基本的に人類全般が信用できなくなるので、動物ぐらいにしか心を開くことが出来なくなってくる。

動物は疑う必要がないですからね。もちろん、動物に化けた悪魔もいるかもしれませんが、チェンソーマンではあまりそういったタイプは出てこなかったので、チェンソーマンに出てくる「犬」「猫」などの動物は基本的に癒しのキャラクターとしてしか出てきません。

まあそれはそれとして、そうやって動物にしか心を開いていないと、さらに心を閉じる羽目になるので、余計に自分の中の妄想や想像が肥大化していくんですよね。

その結果、チェンソーマンにあんだけべたぼれしてたし、そのくせ本物のチェンソーマンがさっぱり見抜けなかったんだと思います。

あそこがかなり、マキマとしての心の穴を感じたシーンでした。

 

マキマにとってのチェンソーマンって、マキマの心の中にしかいないんですよね。

 

ネタバレ注意】チェンソーマン95話、マキマさんが厄介オタク過ぎる… ネット「でもチェンソー様はデンジの方が良いって言ってるよ?」 | 画族

 

マキマの中では目の前の「マジモンのチェンソーマン」なんざどうでもよくて、「自分の中の理想のチェンソーマン」が大好きなだけなんですよね。

結局、マジモンのチェンソーマンが見えなくなるくらい、自分の中の妄想が肥大化しているっていうことです。

それだけ、心を閉ざしっぱなしということなんですね。

 

しかし、それが”支配”の力の源泉でもあると思うんです。

だって、実際に「マジモンのチェンソーマン」がマジで好きなら、支配する必要がないんですよ。だって支配することで、マジモンのチェンソーマンじゃなくなるじゃないですか。自分の言うことを聞いてしまうので。

 

他者を人間が好きになるのは、それが他者だからです。

自分にないものを取り入れようとする行為です。

支配とは、それは自分をただ増やすだけの行為で、

そこは「他者を好きになる」と大きく違います。

 

例えば、好きなアイドルができたとして、「ああ、付き合えたらなあ」と妄想する分には起こり得るし、そういったことをしている人はいるでしょう。しかし、それを無理やりに現実化しようとするとそこに「支配」が発生します。

 

自分の頭の中で起こっている行為は、自分の頭の中でしか存在しません。

これだけ力を持っているマキマでさえ、チェンソーマンに食われたり何か望むことをすることは叶いませんでした。

しかし、その自分の頭の中で起こっていることを、それが絶対に現実であると信じて疑わないのは、心を閉ざしているからです。心の穴を必死に隠そうと閉ざしているので、そうやって頭の中の世界でしか生きられなくなる。

 

マキマは、他人と過ごしてないんですよ。

常に自分ひとり。

目の前にいても見ていないんですよ、人を。

 

KIRA on Twitter: "ここのデンジくんの表情と発言が悲しすぎて泣けてくる…  マキマさんへの想いがずっと一方通行だったって事をしっかりと理解してるの偉い… #チェンソーマン… "

 

それだけ自分の中身に閉じこもっていたら、そもそも他人を深く知る必要がないし、知ろうともしませんからね。

でも繰り返すようですが、それが支配力の根源なんです。

支配とは、自分の理想に他人を無理やり捻じ曲げる行為で、そうするには他人の意思や想いを完全に無視する必要があります。

 

完全なる主観で根拠も何もありませんが、支配する側の人間って、たぶん普通に心があるんですよ。全然冷徹じゃない。

冷徹なのではなく、「こいつ自分の思い通りになるやろなあ」「自分の命令こいつは聞いて当然だよなあ」というひどい思い込みと、それを現実にする力があるだけです。

それを冷徹というならそうですが。

支配力は基本的に”思い込み”力です。

思い込む力が一番大事なんです。

 

チェンソーマン考察】マキマの能力(支配)が強すぎる!?種類まとめ&紹介!! – ギルの漫画考察

 

基本的に、ぶっちゃけこの支配の力自体(程度が低いと思う者を支配できる力)は、全人類誰にでも備わっていると僕は思っています。

 

ただ、だいたいの人間が他人と関わっている中で、そもそも”程度が低い”という存在があんましいないことに気付きます。別に自分より給料が低い人間でも、自分よりも優れたところを持っている人がいます。

支配のコツは、そこで「いや、給料が自分より低い奴は全員カスやろ」と思い込むことです。そうすると、相手が自分より優れたところを持っていようが、こちらは自信をもって威圧し、給料の低い奴を金で殴りまくることで、優れたところをガン無視して支配をすることができます。

 

クレーマージジイがやたら自信満々に威圧してくるのはそういうことです。

彼らは自信がないんですが、思い込み力が強いだけです、自分がこうすれば支配できるのだという思い込み力が。

 

で、話が戻ると、マキマは死ぬほど思い込み力が強いので「自分より程度が低い者」がどちゃくそいるってだけなんです。

だからこれは別にマキマだけの力ではありません。

みなさんもそこらの人間は全員カス!と思い込みましょう!!

カスに人権ないので殴ってもいいですよね!

なんでカスが自分に文句を言うんですか?おかしいですよね!

 

まあ、そういう感じで支配の力と言うものは発生します。

だから思い込み激しくない人は支配は出来ません、向いてません。

そもそも、支配と言うのは、たぶんやりたくてやってるんじゃないんですよね。

うわ、なんかこれ悪い事してる人の典型的言い訳臭いけど最後まで聞いて。

 

マキマみたいな存在は悲しい存在なので、支配でしかコミュニケーションが取れないんですよ。

先に述べたように、マキマは他人を信用していないので、そもそも他人に心を開いて、他人を他人として認めるコミュニケーション方法を知らないので、自分に閉じこもったコミュニケーションにしかならないんですよね。

で、結局そーなると、今目の前にいる実際の他人よりも自分の頭の中の他人を優先するので、コミュニケーションが成り立ちません。

成り立たせるには、目の前の他人を脳内と一致させるしかないです。

じゃ、目の前の他人を捻じ曲げましょうか。

はい、支配の完成です。

だからマキマ的にはコミュニケーションなんですよ、これ。コミュニケーション。

え?コミュニケーションじゃないって?おかしいなあ。

これはコミュニケーションなんだけどなあ。

 

そういう感じなんです。マキマの心の穴。

もうちょっと類似例を知りたいんだけど分かんないや。

自己愛性パーソナリティ障害とか近いかもしれんけどこれ正式な病名かイマイチわからんし。

 

何か類似例、ご存知の方いれば教えてください。

 

九州にいるとだいたいマキマ的人間たくさんいるよ。

『ルックバック』修正は別にフツーの話~ルックバック修正騒動に寄せて~

本タイトルには、「別にフツーの話で、特に変わったところはないのだが、なんだか物語を曲解して理解している人間が多いな」という感覚があったため、それに対する反論として「フツーの話」と表現している。

作品に対して異議が申し立てられた。

それに対して表現者が呼応した。

それだけである。

 

先に言っておくが「『斎藤環による不当なクレームで作品が取り下げられた!』と言うのは、正直藤本タツキ氏を侮辱しているとしか思えんからやめろ」というのが結論である。 

 

ただ、上記1段落で話を終わらせてしまうとあまりにも短絡的すぎるし、何言ってんだよおめーって感じなので、出来得る限り情報を集めてまとめている。

 

まず、本ブログ読者に理解しておきたい大前提として、全ての表現は人を傷つける可能性があるということである。

表現者は常にその傷つけることと向き合う必要がある。

現実のある出来事を物語化するとしたら必ず何かしらを省略しており、

その省略された中に大事なものを持っている人にとっては、その過程で傷つくことになる。

なので、表現者側は「どれだけ傷つきに呼応するか」は常に考えておかなければならない問題であると思う。

どれだけ傷つきに声を傾け、どれだけ無視するか。誰かは必ず無視しなければならないので、そのラインを自分の中で決めておく必要があると思う。

 

今回の『ルックバック』で言えば、「京アニ事件の被害者の傷つきは?」という部分に焦点があてられるはずであった。いや、当たっているはずだが、今回編集部・作者はそこには呼応していない。

 

そこの違いに本修正のいったい何が「フツー」なのか?が詰まっていると考える。

順を追って、丁寧に経緯を追っかけていこうと思う。

 

 

①ルックバックと言う作品

本記事を読む人間は、基本ルックバックを読んでいる人間と仮定しているが、ブログとして公開すると騒動を聞きつけて読みに来る人間もいるので書いておく。

(※既読の人は読み飛ばして可)

『ルックバック』とは、藤本タツキ氏の描いた漫画である。(下記リンク)

 

ルックバック - 藤本タツキ | 少年ジャンプ+

 

その表現力と面白さに、ルックバックが公開されてからしばらくはTwitterのタイムラインがルックバック一色に染まった。

 

また、本作品の一部ポイントとして挙げられるのは、『京都アニメーション事件を意識している』という点である。

無差別殺傷事件が作中で起こり、その中で「作品をパクられた」と供述する犯人が登場する。

加えて、7月19日という、事件が起こった日の翌日に投稿されていることから、おおむね意識していると捉えて問題ない。

 

ただそれは作品の一部であり、作品の本質ではないことは明記しておく。

 

この作品が評価された理由は、漫画としての表現力の高さと、『作品を作るとは何か』『創作とは何か』ということに深く突っ込んだからであると思う。

(長くなるため、著者の感想はこの辺りで割愛する)

 

②公開後の反応~斎藤環氏の反応~

作品公開後に、色んな反応が見受けられたが、当然否定的な反応も見られた。

ここでは、個人による批判はあまり取り上げない(理由として、Twitterには『一切知識もないが、とりあえず何かに怒りたいので、知識がなくても怒れる範囲でとりあえず怒っておく』人間が一定数おり、まともな批判かそうでないかの判別がつかないため)。

 

とりわけ、作品公開時から批判をしていた精神科医斎藤環氏の発言を引用する。

 

 

先の文脈(『作品をパクった』としてキレて犯行に及んだ、事件直後の日に作品を投稿した)から、京アニ事件とかぶせて語る人間が非常に多くあらわれたことから、京アニ事件のほうに誤解が及ばないように上記ツイートを行った。

加えて、noteのほうに本マンガに対する意見表明を下記のように行った。

 

 

本文章の一部抜粋などは理解をゆがめてしまうので一回読んでいただきたい。

 

③修正の流れ

これを受けてかどうかは不明だが、大きく著名人として声を上げたのは斎藤環氏がメインと私は認識している。

結果として8月2日に修正が入った。

www.msn.com

 

一部抜粋する。

 編集部はツイッターで、「作品内に不適切な表現があるとの指摘を読者の方からいただきました。熟慮の結果、作中の描写が偏見や差別の助長につながることは避けたいと考え、一部修正しました」と公表。集英社広報部によると、「作者側から修正したいと申し出があり、編集部と協議の上で決定した」という。

 

大きいのは、「作者側から修正したいと申し出」の部分であろう。

正直、この時点でこれ以上語ることはないのだが、誤った認識が広がっているような印象があるため、次の項目で詳細を書く。

 

④フツーの反応~何が「フツー」なの?~

さて、本題に入ろう。

 

はっきり言って、別に「フツー」の話である。

いったい何が「フツー」か?というと、『お前の表現で私は傷ついたぞ』と発言する人が出てくること。それに対して作者が呼応すること。

むしろ、先に挙げた「創作は常に誰かは必ず傷つける」ということを藤本タツキ氏が意識していたからこそ、鋭く素早く反応したのではないだろうか。

 

しかし、Twitterの反応を見るに、取り下げたことに対する反論や否定的意見がいくつか見受けられる。

 

当然ながら

・編集部が勝手に取り下げた(作者の許可なし)

・ジャンプ編集部よりさらに大きな権力からの圧力により取り下げられた

と言った事象であれば、表現の自由に関して大きく声を上げていくことは理解できる。

 

しかし今回の事件については、

・作者から申し出があり、議論の末に取り下げた

・発言者で著名人は斎藤環氏くらいで、政治家や団体の動きはない

という状況である。

 

つまり、別に、極端に言えば、『批判を無視し、そのまま掲載を続ける』選択肢もあったということだ。

そもそも、京都アニメーション放火事件に係る批判を避けるのであれば、日付をもっと遅らせる/早めるであったり、犯人の発言を先に変えておくといったことができただろうが、それをどちらも被せてきており、自分としては掲載当初「結構編集部、攻めたな」という印象があった。

京アニ事件がまだまだ記憶に新しく、かつ、自然にTVやネットを開いていれば京アニ事件の記事が流れてくる日にその漫画を掲載したということは、「ある程度の批判は覚悟の上で掲載を行った」ということである。

 

そうやって身構えている状態で、想定していた批判が来た。

で、「そうやって捉えられてしまうのは、自分としても望んでいないな」と、その声を評価し、表現を変える。

 

それは全く以て、表現においていくらでも起こりうることであり、「フツー」のこととしか言えない。

 

⑤見当違いな批判に対する反論~権力の差~

勘違いをしたままの批判が一部横行しているという印象があったため記載する。

そもそも、

「作品に対して批判があり、作者の意向により取り下げる」という行為に対して『作者が可哀想!!』『なんで批判したの!?』という意見は全く見当違いと言わざるを得ない。

 

それは、前述にもあるが、作家・編集部のほうが圧倒的に発信力と権力があるからである。

「権力を持っている側が、権力や力のない人間へ配慮をした」という構図であり、どうにも「作家を守ろう」とか「不当に取り下げられた」という意見を持つ人間が見受けられるが、権力勾配が全く逆だろう。

 

(※作家を守ろうとか、不当に取り下げられた、とか思ってない人は、この章は無視してかまわない)

 

元来、「表現の自由」とは、権力者側からの言論制圧に対抗するための言葉ではなかったのか。

ja.wikipedia.org

 

例えばだが、上記事件を例に出すと、性表現のある小説を掲載したことによりわいせつ文書販売の罪が問われた刑事事件である。しかし、その中で検察側(=ここでいう、編集部より権力のある側)の「わいせつ」の定義が非常にあいまいであったことから、「わいせつとは何か」という議論がなされることになる。

 

この議論がなされないままであると、権力者側がその時の気分でテキトーに不快なものを「はい、わいせつ」と判断して逮捕されることもあれば、権力者にとって都合の悪い出版物を無理やり「わいせつ物」と解釈し、規制することも可能となってしまう。

だからこそ上記事件は物議を呼んだし、わいせつ物の定義を明確に求めた。

 

 

話を戻そう。

何が言いたいかというと、極端なことを言えば

「ジャンプ+編集部は、一定の権力があり、人気と声の大きさに乗じて、一部批判を無視することも十分可能」ということである。

それはそこらのド素人や一作家よりも、ジャンプ+編集部のほうが圧倒的に発信力を持っているからである。

 

こういった話をすると

『近年のネット炎上は無視できないだろ!!』

という声が上がるので、次項で反論する。

 

⑥『批判すること』と『クレーマー』を同義にするな

近年のネット炎上において、直近で話題になったオリンピック開会式のプロデューサーである小林賢太郎氏が過去のユダヤ人揶揄のコントを元に解任されたことがあったが、話があがってから1日か2日程度で即解任となり、議論をする余地がなく、後になりイスラエルの新聞社「ハアレツ」が「我々は1998年(※コントを行った時期)の冗談を気にしていない」といい、小林賢太郎の解任を撤回するよう求めた記事が話題となった。

(参考:Tokyo Olympics: An old Holocaust joke is no reason to fire the opening ceremony director - Opinion - Haaretz.com

本来であれば、通常は「このコントは問題か?」「その後に改心していくかが問題では?」「当事者たちはどう考えるか?」と言った議論が丁寧になされた後で、解任を求めるほどなのかどうか、と判断していくはずなのだが、そういった議論をすることもなく、安易に解任されてしまった。

(※これは「解任は誤った判断」という指摘ではなく「まともな議論の時間を設けぬまま解任したのは誤った判断。最終的に解任になるかどうかは別問題」という指摘である)

 

何が言いたいかというと

『批判の大きさではなく、その本質を捉えて呼応せよ』ということである。

痛いところを突かれた批判であれば、それに対応できていないのであれば、それは現状で炎上していなくても絶対に火種となるし、今後消える要素がない。しかし、本質から全く外れた、いわゆるクレームであれば、『それは本質ではない』とただ反論すればよいだけである。

 

そもそも、先にも上げたように何でも誰でも表現というのは必ず傷つく人間がおり、だからこそ常に声を上げている人はいる(例えば少年ジャンプのエロ表現に常に声を上げている層はいる)が、少年ジャンプは無視し続けている。

これは別に「声を聞け!」というわけではなく、声を聞いたうえで「本質的な批判ではない」と判断しているということである。
そもそも有名雑誌であれば無限にイチャモンが飛んでくるので、根拠のない炎上に屈するようなら、たぶん全部の漫画は簡単に撤回されるだろう。

 

むしろ、今回の斎藤環氏の発言によって、言うほどルックバックが燃えていたか?というと、そこまで燃えていないという印象がある。 

大きく燃えていないうちに作家自身が呼応したというのは、それを作家が『本質的な指摘』だと感じた証拠だと思う。

 

 

diamond.jp

 

もちろん、一般人が燃えた場合はなかなかに無視できないから、上記のように実害がおよび、無視できない場合もある。

 

しかし上記の記事の例で言えば、問題なのは

『当該女性を勝手に煽り運転の加担者と判断し、嫌がらせをした人間』

であり

煽り運転を批判する人間』

が何も問題なわけではない。

 

そこを分けずに一緒くたに『煽り運転を批判する人間』と括ってしまうからややこしいことになる。

 

話を戻そう。

仮に今回の事件で、藤本タツキ氏のルックバックが大炎上し、その批判を無視したとしよう。その場合に及ぶ被害と言うのは

・批判に乗じて、タツキ氏に嫌がらせをする人間

・批判に乗じて漫画のすべてを否定しようとする人間

等が起こすものであり、あくまでも「批判に乗じて関係ない事をするバカ」が問題なのであり、批判をしている斎藤環氏自体の問題ではない。

 

もちろん、そういう意味で言えば、斎藤環氏の批判が『こんな作家をのさぼらせてはいけない。今すぐチェンソーマンもすべて本屋から撤去せよ』『いますぐジャンプに全員で抗議電話をかけろ』などどいった内容であったなら、私は一切支持していないというか普通に通報していたところだった。しかしそうではない。

 

『批判すること』と『クレーマー』を一緒くたにし、クレーマーを否定する論理で『批判』それそのものを批判するような、全く論理性のないツイートが数千RT伸びるのがツイッターであり、そこに本質はない。

 

⑦結論:藤本タツキに失礼

「この表現が取り下げられてつまらなくなった」と言うことについては、まあTwitterの「つぶやき」だし感想なので、それについてどうこう言うことはできない。

ただ、『不当なクレームにより取り下げさせられた』『なぜ批判したのか』『うるさいクレームが入った』などという意見については、

ハッキリ言って藤本タツキ氏に失礼である。

 

そういった意見と言うのは、藤本タツキ氏が作品について、批判される覚悟もなく作品を投稿し、かつ、何も考えずにネットの声に言われるがままに表現を取り下げたと決めつけることに他ならないからである。

ルックバックで一体彼らは何を見たのだろうか?

藤本タツキ氏という、作品に対して妥協しない作家像ではなかったのだろうか?

タツキ氏が簡易な炎上で、作品の演出などを一切顧みず「とりあえず下げときますわ」で済ます人間だと思っているのだろうか?

ネットで物議を醸すことを一切想定せずに京アニ事件に絡めて投稿したのだろうか?

むしろ、かなり切り込んで描いたからこそ評価されたのだろう。

 

その藤本タツキ氏が、多少の批判は覚悟の上で出した作品について、批判を受けて取り下げたのであれば、もう我々が勝手に『守ろう』などと言う愚かな正義感を持つことは今すぐやめるべきである。

 

 彼がその判断をした時点で我々から特に言うことはないのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライブに行け。さすれば解像度が上がるだろう。~シャニマス3rdライブ感想②~

www.845blog.com

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もう記事3つ目なんだけど。

 

けどこういう体感したことは記述しておかねばどんどん薄れる。

その時の体感は体感したその瞬間にできるだけ残しておけば、

容易にリフレインできるようになるので、

できるだけ体感を残しておく。

 

 

・リフレインの中で

シャニマスライブが終わってから、ここ3日間は

・歌を聴き返す

・人に話して思い返す

・ブログに書いて想いを整理する

アーカイブを見返す

などしてリフレインを繰り返していた。

ただ、ライブがめちゃよかったのは事実なのだけど、

正直Cブロックだったから、トロッコは近かったにせよ

ステージ上の演者さんはハッキリ見えないくらいの距離だったんだよな。

髪型と動きはハッキリわかるけどくらい。

だから、確かに体感は嘘を付かないとは自分でも感じつつも、

アーカイブを見るのが多少怖かったところがある。

だって全然見えねえもん…。

「ここの振り付け変わったの見えたー?」

見えねえよ(泣

Aブロックで見た人「あそこでのカメラ外での絡みがさぁ…」

見えねえってば!(泣

だからぶっちゃけ、「あ、アーカイブのほうが見れるじゃんw」って

なることもあるのでは…ってちょっと不安ではあった。

 

ライブの良さみたいなものが上書きされるのでは……という恐怖。

わたしが良いと思ったものは幻想でだったという恐怖が少し。

 

アーカイブを見てライブの良さを確信した

アーカイブ見てまあそんなことなかったとすぐに分かった。

 

映像を馬鹿にするわけではないが、オンラインでは所詮我々の体は安全圏にあるのだ。

 

自分の体は普段いる場所や慣れた場所におり、そこにディスプレイとインターネットという概念の強固な壁があり、それに守られているのだ。

 

ライブに行くと、我々の体は守られない。

 

そこにいる出演者だけではなく、演出、音、光、そして他の参加者の熱気、

それらをすべて混ぜた空間に飛び込んでいき、そこに生身の体を晒し、全てをさらけ出さねばならないのであり、そこで体感して得たものは、一種の危険の中で得られたもの。自分の体をその情報量の中に晒してこそ得られるものであり、安全圏で得たものと訳が違う。

 

その少しの怖さがあるからこその、体感の良さが映える。

 

もっとシンプルに言えば、映像だと緊張感がねえんだよね…。

すぐにスマホに逃げられる、閉じてしまえる、野球が盛り上がってるから野球に切り替えよ、なんて出来ちゃう。

 

ライブはもう一切合切逃げ場はない。

そーいう意味でも、緊張感があるのよね。

だから普段自分が気づかない以上に、どうやらかなり集中してライブの

情報を取り入れているみたいで。

一見すると、アーカイブのほうが情報量が多いはずなのに、

得られた体感としては、リアルライブのほうが多いのよね。

 

・裏返ったァ!

何回か歌を聴き返したりアーカイブを見ていると、

そうやってじわじわと「やっぱりライブよかったんだなあ」と分かるようになり。

そうやっていくと、ふと、

「カッ!!」と目覚めた時が来た。

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まさにこの時のバキのように、

「ライブの良さ・記憶を薄めるのでは」という疑惑のある毒を

摂取し続けることで、ある瞬間に、毒が「裏返った」のだ!!

 

①歌の聴こえ方が違う

歌の聴こえ方が全く変わった。

前まで例えば「ストレイライト」として聴いていた曲が、

明確に「ふゆこパート」「あさひパート」「めいパート」が聴こえるようになってきた。

「ストレイライトとして」聴いていたが、個々のパートの「愛依の想い」とかにより考えが及ぶようになった。とりわけ、今回のシャニマス3rd福岡は愛依ちゃんがめちゃよかったので、ストレイの曲聞いてたらめちゃくちゃ愛依ちゃんのところだけくっきり聴こえるし想いが刺さるようになってね……。

愛依ちゃんのところによりセンサーが反応するようになった。

感受性センサーが上がった感じ。

そうして、そうやって個々のキャラクターが見えてくると、またユニットとしての良さもわかるようになり、最終的に「ストレイライトとして」改めて聴くとさらに良さが深まる。

その無限ループである。

 

②キャラがよりよく見えるようになった

とりわけ”今まで普通ぐらいに見てたのにライブでめちゃ好きになった”人々は

・るなーん

・わかさま

・さや姉

あたりなんだけど、その辺りのキャラのシナリオがめちゃくちゃグググっとよくなった。

やはり先ほどの現象と一緒なのだろう。

中の人にめちゃくちゃ興味を持ったことにより、はちゃめちゃに感受性センサーの感度が上がっており、今までおんなじシナリオ見て「ふーん」って感じだったはずなのに、同じシナリオ見て「これすきィ!!!!!!!!!」ってなってる。

 

 

・ライブは終わってからが本番

どちらもライブが終わってすぐ「来たぁ!」と覚醒能力のように得られたものではない。

ライブを終えて、少しずつ少しずつ視界が晴れて、トンネルを抜けきって一気に明るくなったような感覚である。

未だにライブを楽しんでいる。

ライブはその一回で終わりではなく、そのあとが圧倒的に充実する。

しかもまだ4日だ。

これからまたさらに得られるものが増えるのかもしれない。

ライブが「その日限りのもの」と思っているのならば、

今すぐその考えを捨て去りライブに行くことをすすめる。

 

これがライブか…。と改めてしみじみとした一日だった。

 

 

 

 

 

”推し”は背骨である。~シャニライブ3rd福岡感想~

www.845blog.com

 

↑なんかバズリそうな記事っぽいのを書いたけどつまんねえんだわ。

 

ということで下記、シャニマス履修している人しかわからん記事書くのでよろしく。

(※怪文書だから知らん人読んでもマジでわからんからな、知らんぞ。わたしは好きにした、君らも好きにしろ)

 

・ストレイしか勝たん

いや違う。しかではない。文法違う。

オタク文法での「ストレイしか勝たん」であり

ぶっちゃけ「ストレイ以外も勝ってるじゃん?」「は?全部最強じゃん?」なんだけど

オタク文法的に「ストレイしか勝たん」なのだ。

 

ストレイだけしか書かなくなりそうだから先に書いとくと、SHHisめちゃよかった。

初ライブでアレ…は…?何…天才か…ふざけてんのか……

ってとこから山根さんの最後のMCね。

そうね、はじめてやったから不安やったろうね。ほんと立ててよかったね

「私、アイドルになりたいの。死ぬほど」

って言った美琴ともうモロ被りだよね。

このステージに立てて本当に良かった。あざ出来るまで拍手したよ。

 

あと放クラね、あれね、Day1Day2って参加したから余計にね…。

Day1での「5人そろってほしい!」からの

Day2でそろうの、泣くじゃんあんなの。

しかもチョコ先輩参加してない時も衣装を置いておいてくれてたって?

スタッフ、神の所業を迂闊に行うのやめてくれません?

世界が創造されてしまうんですけど。

本当に楽しそうなライブが見れるから、放クラ好きなんだよな。

改めて好きになったよ放クラ。

ほんと元気いっぱいじゃん。

 

イルミネはさー。

みんな不安がある中でめちゃくちゃしっかりしてるよねやっぱ。

でもシャニの顔的存在だからさ、そりゃしっかりしないといけないわよね。

一番不安なんだと思うんだわさ。

けどMCもしっかりして、締めもしっかりして、なーんだこのキラキラアイドル。

うんうん、めぐる不安やったよね。そりゃそうよ。当り前よ。

ほんと頑張ったよね。ソロめちゃ元気出たよ。ありがとう。

 

もうこの流れで全部触れちゃうけどさ、最初アンティーカ「普通に好き」くらい

だったのよ。けどライブのカッコよさ何?あれ。

死んでしまうやん。死人何人出た?5000人くらい??

しかもさあ、俺Cブロックだったけど通路すぐの席だったから、その通路から

ちょうどるなーんが見えるわけよ。

何?あのるなーんのキレッキレの動き……。

妖艶な腰遣い……。

完璧じゃん……。

「三峰」飛び越して「るなーん」がめちゃくちゃ好きになってしまった……。

 

アルストメリアはもう安定よ。

安定したキル稼ぎをしてきていましたね。

最初に「甜花ポイント10倍!」で既にプロデューサー200キル。

そのくせ全体のパフォーマンスキレッキレで500キル。

さや姉が「みんながいる…!」って最後のMCで言ってる
感動のシーンでふざける可愛いりょうちゃんで50000000キル。

全プロデューサー死んじゃったよ。

千雪さんと甘奈も言いたいことがあるんだけど……

アルストメリア全体的に心が浄化されるから、

今も頑張って言語化しているだけで正直感想ったって

「ア…………」しか出てこねんだよ、勘弁してくれ。

カオナシという自我との決別 | アハハライフ魂(スピリット)

 

ノクチルは~~~~~~~~~~みんな再現度ふざけすぎです。

立ち振る舞い全部ノクチルじゃん。何?

オタク、何?しか言ってないなさっきから。でも仕方ないじゃん。

Cブロックやぞ。顔あんま見えないのに”歩き方”でわかんのやばいじゃん。

別に当オタク、「長年アイドルを見てきたからわかる……見えたっ!あの振る舞いは…奴だ」っていう隻眼のオタクではないんですよ。シャニライブ初のド素人ですよ。

ド素人が遠目から歩き方で分かるって何???

 樋口そのままでいてくれ。透、お前は相変わらずわけわからんな、好き。

小糸ちゃん、元気だね。そのまんまの君が好き。

雛奈ちゃんもワーッとやりつつスンってなるのがソレなのよ。

それが雛奈ちゃんなのよ、わかってるね(お前何目線だ???)

 

 

はい。

ではストレイライトに入ります。

 

 

 

はい先生言いました~~。

わたしは~~ストレイハマってて~~~

けど最近ウマ娘ばっかに浮気してて~~。

だから再度ストレイ沼に堕としてくれって言いました~。

けど誰がここまでやれって言いましたか~~~????

ストレイ村が大炎上してるんですが~~~~~???????

 

もうこれ5000年供給いりません。

ウソです。

供給はあればあるほどいいです。

もっとよこしてください、もっとください。

今必死に今まで見てなかったラジオからさや姉を摂取しています。

ただちにさや姉成分の接種が必要です。

さや姉不足により死にます早くしないと。

 

もう見た人については細かく語らない。

わかるっしょ、もう

「ストレイ、さや姉、day1」だけでわかるっしょ?もう。

わからんならもうそれはモグリよモグリ、ブラックジャック

 

さや姉が来てくれてよかったよ本当に。福岡に。

さや姉のバカかっこいいソロパートやった後に

「めっちゃ不安だった~~~」ってスキを見せるのをやめろ。

オタクが死んでしまう。あ、もう死んでるわ。

いやでもマジで実際不安だったと思うのよ。

みんな見てたけど、そりゃステージそんな何十回も立ってるわけじゃないし、

何よりもソロで立つのは初めてなんよ。

そう考えたらそりゃ緊張するはずなんよな…。

不安もあるはずなんよな…。

それでそんな不安を感じさせないほどのパフォーマンスなんだよな…。

スキとかふざけて言ったけど真面目にマジで不安だったと思うんだよな…。

それで終わった後に出たセリフが「二人に会いたい~」だよ。

 

コレ、俺らの存在いらねえ!!!

 

そう、俺らはいらないんです。

これは「百合に挟まる男、絶対殺すマン」と同じ現象です。

いや、違う、俺らはいる。いるが、ちゃんと後方腕組み彼氏面で

クールに金と応援だけこっそり投げて去っていくんだぜ。

なんていうんすかね、難しいんだけど…俺らはいらねえんすよ……。

というか「必要だけどしゃしゃるな」というか……。

 

「ストレイというカップリングを邪魔したくねえ……」

 

というアレなんだ……。

 

本当に嬉しいんだよオタクは。オタクへの応援が後に来てくれて。

オタク(プロデューサー)への感謝よりも先に「ストレイ」2人への感謝と想いが来てくれて。

それは俺らをないがしろにしたとかそういう話ではない。

ちゃんと想いの丈を、素直な想いをファンのまで吐露してくれたのが本当にうれしいんだよ。不安なものをごまかしてごまかして、

隠し続けるほうがファンにとって不安だし心配なんよ。

それだけ不安を吐露してくれたのは、俺らを信頼している証なんだよ…

俺らっていうか、まあ、俺?(笑)

さや姉は俺を信頼してるからな…ああやって不安を出すのは…俺のおかげ……ってヤツ…?(暗黒微笑…

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※さっきまで「ストレイに混ざるな」と言っていたのに混ざろうとしたのでスタッフがボコしておきました。

安心して以降の文章をお楽しみください。

 

 

何よりもよかったのは、めい→ふゆでめいふゆがごちゃごちゃしているところをあさひがおさめるという珍しいシーンだったのがね…。

ストレイ的にはこういうところで収めるのはふゆちゃんの役目なので……。

つまりはね、それだけめいちゃんとふゆちゃんが動揺してたってことで……

これは……めい×ふゆ!?めいふゆなのか!??

めいふゆ!!めいふゆ!!パターン緑×紫!!めいふゆです!!
第一種めいふゆ観察態勢!!

違う!これは……パターン赤です!!

「めいふゆに見せかけたストレイ尊い」です!!!

目標を見誤るな。

愛依ちゃんはふゆちゃんだけに感謝したわけではない。

”二人”に感謝したのだ。

”二人”というワードを聞き逃すな……。

表面上のやり取りに惑わされるな……。

この反応……ストレイ尊い、だ。

 

冬月。やはり”ストレイ”だ。

そうか。ならば勝ったな、碇。

ああ。やはりストレイしか勝たん。

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オタクが浄化されていく……

オタクが、ストレイオタクが、本来の姿を取り戻していく…。

リアルすぎる愛依ちゃんが、尊すぎるその力が、

オタクが人を超えた、エモの塊に変わっていく……。

純粋にストレイ3人の幸せをかなえる、ただそれだけのために……。

 

ああ、

これが そうか

この掌にあるものが

 

”推す心”か―――

BLEACH】ジャンプのオサレ漫画ことBLEACHの名言、「心か」「なんだとぉ・・」「同じ人を好きになる」しかないwwwww : ちゃん速

心か hashtag on Twitter

 

 

わたしはハッキリ言って”推す”ということをよくわかっていなかった。

どちらかというとギャルゲーをやって「この子と付き合いたい!」という形での女の子キャラスキーな気持ちは分かるし、それにハマっていた高校時代があったが、その欲があんまりなくなると、女の子のキャラスキーになること自体があんまりなくなり、じゃあこういう時に好きになるキャラって”推す”ということなのかなと思っていたのだけれども、推すという本質を分かっていなかった。

 

この前書いた記事でも、推しについて「こうかな?」と思うことはあった。

tadeku.net

 

あたしには、みんなが難なくこなせる何気ない生活もままならなくて、その皺寄せにぐちゃぐちゃ苦しんでばかりいる。だけど推しを推すことがあたしの生活の中心で絶対で、それだけは何をおいても明確だった。中心っていうか、背骨かな

『推し、燃ゆ』 p37

 

推しは背骨である。

我々が立ち上がるために、

我々が動くために

我々が考えて動くために

我々が生きていくために

必要なものが推しなのである。

 

そして、ただ感謝し、その推しが生きていて、

幸せであることをただ我々は祈り続け、

そっとその推しをさりげなく支援し、

決して表には出ずに後方腕組み彼氏面してることが、”推す”という行為なのだ。

 

我々はこうして推しの幸せを祈り続け、推しが幸せに暮らしていることを望む。

 

ストレイ3人が仲良くしている……。

ストレイ3人がいちゃいちゃしている……。

そしてその過程で生まれたパフォーマンスを我々に提供してくれている……。

これが何たる幸せなのか……。

これが幸せと呼ばずに何と呼ぼうか??

 

これを現地で摂取できた。

その場に居合わせた。

それだけで私は生きていてよかったと思ったものだ。

 

しかし、”推し、燃ゆ”では、つい主人公が推しの住んでいるマンション情報を手に入れてしまって、見に行ってしまうんだよな……。

そしてそれは、”推しに無事でいてほしい、元気でいてほしい”という親心からくるものではなくて、見に行ってしまうんだよな……。

 

それはあかんのよ……けど我オタクは歪んだ心が潜んでいるからね……そういうことしてしまう気持ちが全くわからんと言ったらウソなのよ……。(もちろん肯定はしないよ)

推しがいるオタク、みんなどうしてる……?

シャニマス声優さん、全然近くで関われるイベント(チェキ取れるとか)やったりしてんじゃん……

やめてよ……なんとか人の皮被って、しっかりと社会性を身に付け、ちゃんとした企業に勤めて営業やれるくらいキチっと社会に認められる人間になったのに、それしか生きる道がないから人間の皮を被っているのに、その皮をかっさばいてしまいそうなイベントやらないでよ……。

ステージの近くで推しを見たいじゃん……

その延長線上にあるようなコンテンツ持ってこられたらそりゃ行きたいじゃん……けど私達危険人物じゃん……

どうすればいいんですか……?狂わしてくるのやめて……。私を狂わせないで………。

 

もう完全に「敵キャラ側だが元々善人だったモノを魔王に支配されて敵キャラになっており、味方に回りたいものの内から出てくる悪魔の力がいつ暴走するかわからないがゆえに、主人公たちの想いをよそに静かに消えて、魔王に挑み死んでいく儚い敵キャラ」みたいな感じになってます、ハイ。

 

”推す”を超えた行為をしないためには、

やはり我々が心を浄化せざるを得ない。

上記のような悪の心を持っているのであれば、

”禅”により、

”祈り”により、

悪の心が浄化されるまで近づかぬが吉……。

”推す”は信仰…とはよく言ったものだが、

それはそうなのだ。”推す”とは我々が信ずる神を称える行為であり、その神を何人たりとも侵犯することは許されず、その可能性のある不届き者は近づけぬが吉。

 

修行をせよ。

滝行をせよ。

邪な心を一切合切捨てよ。

我々は推しに身も心もささげよ。

”距離感”を間違えるなオタクよ……。

これは自分との戦いなのだ……。

 

不生不滅ふしょうふめつ 不垢不浄ふくふじょう 不増不減ふぞうふげん 是故空中ぜこくうちゅう

無眼界むげんかい 乃至無意識界ないしむいしきかい 無無明亦むむみょうやく 無無明尽むむみょうじん

乃至無老死ないしむろうし 亦無老死尽やくむろうしじん 無苦集滅道むくしゅうめつどう 無智亦無得むちやくむとく

 

迷いも苦しみも、老いも死も、いかなる高尚な教えや問いによっても、消え去るものではない。依然として悩みはそこにあるし、苦しみもそこにある。

我々はそれと向き合い続けねばならない。

 

そうして悟りを開き、推しに近づける人間にならねば……。

一切の煩悩を捨て、推しを信仰できる人間にならねば……。

 

(※ストレイ以外の推しとして放クラとかめちゃ推しになったんですけども、悟りを開いてしまい書く力が消え失せてしまいました。続きを読むには煩悩を投下して下さい)

(SHHisをまずは聴いてください。よろしくお願いいたします。)

 

 

 

 

 

 

 

 

初シャニマス3rdライブめちゃよかった話

シャニマス3rd福岡day1day2両日行ってきた。

 

idolmaster-official.jp

 

先に言っておくけど、

 

もうライブ行け。

 

今から色々書くけど、あれだ。シャニマス知りたいなら

 

ライブ行け。それでしかもうわからん。

 

いや、俺はゲームからハマってライブに行っているので、

最初からライブ行けってのは違うんだけども。

最終的にこのコンテンツの神髄を知るのはライブでは…?

という意味ね。 

もうね、ライブでテンション上がった状態を表現しきれない。

映像だけでも足らん。映像でも補えるかもしれん

DVDでも足りるかもしれん、だが俺は足りん。

頭の中をBlack Reverieのカッコよさが駆け巡って

「あ~咲耶の夢女子になるゥ~」

とか

「三峰踊りキレよすぎでは?」

とかやってる間に放クラがスゲースピードで駆け抜けていったり

アルストメリアでほんわりしたりとかもう余裕ねえんだよ。

まだ頭の中をグーチョキパーカラジャンケングーが駆け巡ってんだよ。

 

と、言いつつもちゃんとシャニマスというコンテンツの良さについて初心者目線で文章で語りつつ、良さとライブについて書いていく。

 

※初心者の基準

・アイドルもの自体ほぼ接種経験なし。

(リアルアイドルも二次元もどちらも)

強いて言うならマクロスFを履修したぐらい…?

・ライブ自体は多少経験アリ。岸田教団とか。

アイマスは全く初めて(初代は「てってってー」しか知らん…)

シャニマス始めたのは今年2月だから半年も経っとらん

・こんな感じなんで

「いやあ初心者なんすよ…」

シャニマスは初だがアイマス歴自体は10年)

(「アイマスシリーズ全体には精通していない」というだけでシャニマスはリリースからやっている)

とかそういうアレではないので安心して。

 

初心者をうまく沼に落とす記事書くからバンナム雇って…記事書かせて…。 

 

 

・ハマった経緯

ハマった経緯の細かいところはこっちに書いてるのでどうぞ。

↓ハマったときのブログ

www.845blog.com

 

シャニマスは基本的に「ユニット」があって、他のアイマスみたく単体で推していくというよりかはユニットごと推したりすることが多い。

で、シャニマスにあるユニットの一つ「ストレイライト」の「芹沢あさひ」というキャラを好きになってハマっていった。

 

しかしまあ、最近アイドル系のコンテンツで「ウマ娘」とかも出てきたので、そっちに行くことが多く、ここ1カ月くらいはゲームはそれなりで音楽は引き続き聴くが…。ぐらいの感じであった。

音楽とキャラは好きなんだよな。

けどいったんハマって少し熱が落ち着いてウマ娘に逃げている間にライブの日がやってきた。

 

・ライブ行く前の所感

一緒に行く人からライブの映像とかはいくつか見せてもらっていたので

・放クラのライブ楽しそう

・アンティーカかっこいいよね

・ストレイ楽しみ~

・SHHis楽しみ~

・両日の片方でもいいかもな…。

という感じ。

両日参加はとりあえずノリで行ったが、

ぶっちゃけ1日見れればいいのかなぐらいに考えていた。

 

シャニマス3rdライブ福岡 day1day2感想

ともかくねえ。

2日両日見ないと足りない。

やっぱり映像で見るよりも現地だわ。

しかもそれぞれのユニット2曲ずつだから、

「えっ、このユニットもうこれで終わり!?」

ってなっちゃうから、3時間やっても足りねえんだよな…。

そういうことで結局2日いってよかった。

あと、たぶん初心者ほど2日行ったほうがいい。

理由として、2日の内容は大筋がいっしょ(一部出演者やソロパートだけ違う)なので

1日目の「アアっ…クソ…あそこでこの曲聞き込んでなかったからうまく盛り上がれなかった…」「ああっ…あの時のあの曲のこの動き、もっと見ていれば…」とかそういう悔しさをちゃんと復習していけるので、絶対2日行ったほうがいい。

 

特に今回はSHHisがあったから余計に2日行ったことが功を奏した。

 

 

行ってない人に説明すると、

・このシャニマス3rdライブツアーで、福岡の前の東京で「SHHisって新しいユニットが追加になったよ~」「福岡で初お披露目だよ~」ってなって、day1で曲の初披露があった

・は~2日目に向けて予習しなきゃ~と思ったら、ライブ中に「この曲今日の深夜0時に配信するで」と言われた

・当然ダウンロードし聴き込んでから2日目に挑む

・Pが聞きまくったのでiTuneダウンロードランキング1位に

 

みたいなことがあったので…。

1日目と2日目で楽しみ方が全然違った。

また、放クラ(※放課後クライマックス。ユニット名)が1日目は4人しかそろっていなかった。どうやらこのライブ通じて、5人そろった時がなかったみたい。

詳しくは後述するけど1日目「そろってほしい―!」って声があってからの

2日目「ようやくそろったー!」があったから良かったんだよね…。

だから同じ曲でも、いやむしろおんなじ曲だからこそよかったんだよね…。

 

加えて今回の2日目は千秋楽だったので、

みんなめちゃ泣いていた。

完走しきってみんなめちゃ泣いてた…。

 

そういう点があり、1日目と2日目が全く違う形だったのでよかった。

 

・パフォーマンスが、ゲームでの予想を上回ってくる

冷静に分析してく。

ライブDVDを見せられていたから何となくは分かっていたが、

パフォーマンスの高さが半端ない。踊りと歌の力の入れようが半端ない。

また、ユニットごとの世界観の作り込みも半端ねーから、

ただ楽曲をゲーム内で聴いていたときよりも圧倒的にすごい演出をぶつけてくる。

ゲームでは楽曲しかわからないので、踊りがどういったものかはわからない。

なので、ゲームのストーリーなどからある程度の踊りの実力を想像していくしかない。

それで僕は偉く過少評価していたんだなと…キャラクターのみんなを…

三峰すまん……放クラすまん…

これは後方腕組み彼氏面でゲームだけしかやってない奴に

「ま…あれはライブ行かんとわかりませんわ……」

ってドヤ顔するようになっちゃうわ…

 

↑みんなもうこうなるしかない。

 

 

3rdライブは全体的に演出と踊りのパフォーマンス半端なかった…。

 

普通さあ、アニメ・ゲームコンテンツのほうが空想だからそっちの方がどうやったって過剰になるはず(※アニメ・ゲームでの想像を超えられない)じゃないですか???

なんで二次元超えてくるんですか????は????

なのでぶっちゃけ「ゲームでイメージしてたよりもすげえ」のが来る。

もうね、語彙なさすぎるんですが、マジで、「あ、すげ…」しか言えんのですわ

 

(※実際問題、シャニマス自体がキャラの動きはあるものの、実際の踊る動画とかがなく、テキスト多めなので、そこの部分でそもそも踊りのすごさを想像しにくいのはあるのかも。だからそういう意味では、ゲームで見れないところをちゃんと補完してくれんだよなライブ…)

 

www.famitsu.com

 

↑どうすごいかはこちらの記事に最速で実際の画像が上がっているのでどうぞ

(無断転載するわけにはいかんので自分でみてね)

 

アンティーカなんかは、そんなに気にしていなかった。

でもライブの圧倒的世界観と、るなーん(三峰役の声優)の

踊りのキレに「ヤッバ!!!!!!!!!」となって

ゲームで”普通に好き”くらいだったのが”もっと追っかけなきゃ!”になった

 

そんなふうに見てたら3時間あっという間なので、2日両日参加でようやく足りたという感じ。足りん、一日じゃ。

 

・キャラと声優のリンク度合い

そもそも、キャラと声優のリンク度合いがびっくりするんだよな。

ゲームやってたら、果穂ちゃんの声優のひよりさんとかゲームそのまんまじゃん…。

一曲歌ったあとMCやるんですが、思い付きで「あ!あそこの動きやってみよ!」とかバンバン動くし…。あのわちゃわちゃ感が果穂ちゃんそのまんまなんだよな…。

最後day1ラスト入る前に「果穂ちゃんなら『やっぱりチョコ先輩がいないとさみしーでーーす!!』とか言うな…」と思っていたら

「放クラは5人そろってほしーーです!!!」

っつってたし、もうテンションむしろ果穂より高いのでは?は?何この人…すご…。

 

あと福丸小糸ちゃん役のさらんちゃんとかさ…。 

あわあわしてる感じがマジで”小糸ちゃん”まんまじゃんッッッッ!!!!!!!

そして何よりもストレイライトで愛依ちゃんがね…。

愛依ちゃんが冬優子ちゃんを頼ってるのがね…。ほんとに愛依ちゃんがストレイの二人好きなのもまんまだし…。少し本人の中では不安があって二人を頼るけど、なんだかんだストレイの二人も愛依ちゃんのパフォーマンスに圧倒されて、何も「頼りない人」とは見てなくて完璧ライバルとして見てるんだよ…。そしてライバルとして見れるだけの、めちゃくちゃすごいパフォーマンスをソロで見せるんですよ…。

 

ひとしきり語ったところで客観的に解説。

全体的に、”役に入っている”というより、本人の性格や性質がかなり演じているキャラに近いようで、”これ明らかに素でしゃべってるっぽいのになんでこんなに近いの?”って感じ。

オーディションでマジで合致する人を持ってくるまでしつこくオーディションやったのか、それともよさげだった人をモデルにシナリオを作ったのか。

それくらい、役と中身が一緒じゃん~という人が多く、

違和感なくゲームの世界に入っていくことができた。

 

だから、シャニマスアイマス未履修勢からしたら

「声優が歌っているだけでしょ?」

と思うかもしれんがそうではない。

ゲームと現実がリンクする。このライブに参加して、客席で小糸ちゃんを応援することで、ゲーム内に入り込んだ気分になるし、「ああ…シナリオで書かれていない部分だけど、こうやってファンに好かれているのか…」と妄想膨らむし。

こういうことやってくるコンテンツなので、別にバリバリ役と中身一緒って人じゃなくても、期待するのよね。役と中身が一緒なところを。

そういうところを見てしまうようになるので、

細かいところ見て

「えっ…これはゲーム内のアレとアレの絡みと一緒では!??!?」

「この絡みは……めいふゆ!!」

とかなるんよ。

 

ゲームの世界に入っていくというより、現実とゲームがぐにゃぁと混ざり合うような感覚だ。

まんまゲームをそのまま再現している(演じ続けている)わけじゃない。

フツーに中身の声優さんはしっかり出てくる。

だからこそ余計に、俺らに現実的にゲーム内の感覚というものを与えてくれる。

 

さや姉が「みんながいる…」って語ったり、ストレイの2人がいる…。

ってアレマジで2人を頼っているの完全にゲームの中と一緒なんだよね…。

それは「愛依ちゃん」として語っているというより「さや姉」として語っているから余計に我々はそこのリンクしたところに「あ、あ、あ~~~~~~~~~」ってなるんよね…。

 

ここで僕はまだ一部「○○役の声優さん」ってゲームのキャラ名で言ってるんだけど、

ハマった人ほど声優さんの名前を先に呼ぶんだよね…。

その理由がよくわかる。

「○○役の声優さん」じゃなくてその声優さんの人生そのものとリンクしている場合もあるので…。

(そういう意味でさや姉にはドカンとハマりこんでしまったわね…) 

 

・ゲーム→声優、声優→ゲームという無限ループ

上記のようなことがあり、そうすると「よし、ゲームをもう一度シナリオやってみるか…」となる。

ゲームきっかけで声優を深く知り、声優を好きになる。

そこから別の声優を知り、またゲームに戻る。

そういう無限ループがある。

その上、シャニマスはユニット単位で作ってあるから、

僕みたく「お、果穂いいな…」と思って果穂を知ろうとする。

そうして放クラ全体を知ろうとする。

そうして、放クラの別のキャラクターを好きになる。

ライブを見る。声優を好きになる。

 

こういう無限にはまっていく形が完成している。

 

・ライブなら狂える

冒頭でうるさくしつこくライブ行けと言ったのは理由が二つあり。

一つ目は一人だと狂えないからである。

もちろん迷惑をかける狂い方は勘弁してほしいが、

放課後クライマックスの『学祭革命夜明け前』なんかで

「グーチョキパーカラジャンケングー!」でめちゃくちゃ腕振りまくったりとか、

相手の踊りに合わせて自分もちょっと動いてみたりとか、

相手がこちらに指向けるポーズしたらこっちも向けてみたりとか

そんなの中々一人で家じゃできない。

前の席に他の人の曲だとスンッ…としているのにストレイになると突如狂いだして体が動きまくるような人がいたりすることで「まあ、こんな人いるなら自分も…」みたいになっていくのである。

だから一人で見て配信で盛り上がっても、そこの差でどうしても足りないのである。

手にあざができるまで拍手できたりとか、腕が筋肉痛になるぐらい腕を振るには、そういう集団の中でのアドレナリンが出なきゃなかなかできないのである。

(※横や前の人にぶつかったり、視界を妨げない範囲で行いましょう)

 

・ライブは好きにやれ

(※何度も言いますが他人に迷惑をかけない範囲で…です)

「えーでもライブ行っても、盛り上がり方、よくわからんし…」

OK、好きにペンラ振ってればOK。好きなリズムで振って。

もう回りマジで自分自身とアイドルのことしか見えてないから、お前ひとりのこと気にしとらん。むしろ狂ってる人がたくさんいるから、そっちに目が言っているので、

その狂っている人より目立ったりガチ迷惑行為じゃなきゃさっぱり見ない。

俺はストレイの時は、ストレイ聞きまくってたから、

自分がペンラ振りたいリズムで勝手に振ってた。

当然他ともずれるが、他もなんだかんだ好きに振っている人もいたので、

楽しくて他人に迷惑(ペンラや肘ぶつけたりとか、会場から言われているルール破ったりとか)かけたりしなければ何でもいいと思う。

 

そうしてライブで狂ってほしい。是非に。

 

・ライブに参加することで、現実とゲームのはざまが消える

ライブ行けという理由の2つ目。

これはここまで語ってきた内容だけど。

それはライブに行くことで現実とゲームのはざまがなくなるからである。

現実の声優さんにゲームの要素を見たり、逆に声優さん単体として見たり、

多方向の視点を持つようになってくる。

声優として。

ゲームとして。

ユニットとして。

コンテンツとして。

そうやって多方向で見ていると、声優の人生そのものに感動することもあれば、それをコンテンツとして一括で見ることもあれば、ゲームの一シナリオとして見ることもあれば…。

 

もう全部ぐっちゃぐちゃになるのだ。

「ここからここまで、ゲームの再現だよー」とかじゃないのだ。

全部良い意味でしっちゃかめっちゃかなので。

前述にもあったが、別にゲームの再現に忠実に努めているわけじゃない。

りんぜ役の声優さんのあいさつとか…(アレマジで好き、あれでday2でさや姉がなんかリアクションしてたの見たよわたしは)

 

一から百まで演じ切るというスタンスもあるだろうが、それでは結局現実味を感じない。 現実の声優が入り混じり、そこでのリアルを混ぜつつ、キャラクターとのリンクを大事にする。

ノクチルなんかは歌っているときは演じ切っているのだ。歩き方や動きまで。

(遠くで見ていて、顔が良く見えないんだけど歩き方とか動きの多さで誰が誰だかわかっちゃうんだよ…)

 

そうやって「シャニマス」という一つのコンテンツにハマるのだ。

 

あらためてライブに行って、これが「シャニマス」というコンテンツか…と実感した。

ライブに行って帰ってきてから、もう次のライブ両日参加することしか考えてない。

他のキャラ・声優をもっと掘ることしか考えてない。

 

ともかく曲聞いてゲームやってライブ映像見てライブ行こうや…。

話はそれからだ……。

 

 

shinycolors.enza.fun

 

 

 

 

 

 

 

 

ウマ娘攻略記事~初心者が失敗しがちなミス~

ウマ娘育成がうまくいかん。

 

そういう時期に、一回動画を全部育成スクショと動画で撮りまくった育成があります。

で、案の定失敗したので、実際にその育成をたどっていきましょう。

(※全部たどると長すぎるので、失敗したところからさかのぼっていきます)

 

そこに結構、初心者がやりがちなミスが詰まっている気がするので。

 

この記事のターゲット

・なんか目標達成、結構失敗する

・URAまで安定して優勝できない

・よくわからないまま目標未達になる

このぐらいの初心者~中級者向け。

 

 

 

・育成結果

f:id:wahoo910:20210410173313p:plain

 

成績・9戦5勝

育成目標でつまづいたところ・天皇賞(春)

天皇賞(春)は7位

因子:スピ9マックイーン、スタ2スピ5エル

 

・スピあげたのに、何故!?

とりあえずこの時は「よっしゃ!なんか先行はともかくスピードあげりゃええんやろ?あげたるわ!!」という感じで、その時持っていたスピ因子全部つっこんで育てた。

ただ、もちろんバクシーン!さんほどスピ特化でいいとは思ってなかったので、

そこそこ他も気にしていたが、それでもスピにほとんど突っ込んでいた。

しかし、結果は天皇賞(春)7位。

びっくりなのが、2回リトライして2回とも7位。明らかに力負けしていた。

 

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直前まで1位、長距離の有馬でも2着。

てっきり馬群事故かと思ったらそうでもない。

youtu.be

その時の動画だが、

1分30秒ぐらいまで、馬群に飲まれずに前に出ている。

が、そこから

めちゃくちゃ後ろに後退しまくる。

なぜ?と頭に疑問符を浮かべまくるも、全くわからない。

結果、最後のコーナー前ぐらいまで2位だったのが、一気に落ちた。

 

・原因はスタミナ不足

その時のステータスとスキルを貼っておく。

f:id:wahoo910:20210410182650p:plain

 

トップスピードが遅い→スピードが原因

(これは違う。最後までトップを維持していたから)

最後の追い上げが遅い→パワーが原因

(追い上げというより、トップの維持ができていなかった)

 

というわけで、「スタミナが足りないんじゃね?」と思っていたが、

そのあと何度かプレイしたが、やはり

最後の直線で急に後ろに下がってしまうのはスタミナ不足である

可能性が非常に高い。

 

特に、ここでのステータスはスタ400もいっていないし、根性も300以下。

どうやら正しかったようで、某有名攻略サイトにも「天皇賞(春)までにスタ500は育てんかい」と書いてある。

完全に失敗だ。

しかし、それだけではない。

じゃ、攻略見ながらやってうまくいくか?というわけでもないこと、今回の育成の失敗を振り返っていくので、自分の育成を見直すきっかけとしてほしい。

・育成のよくある失敗一覧

・練習が偏っていない

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これはクラシック級11月時点での画像だが、賢さがLV3なのに、本来メインで育てたいスピスタパワはLV2、しかも、「スピードメインで育てるぞ!」といいつつ、スピードに偏っておらず、この時点で練習レベルが全く整っていない。

まんべんなく練習してしまっていて、スピードが因子の影響で少し飛び出ているが、

根性以外は300あたりでそろってしまっている。

 

逆に、別の育成でこんなことができていた。これは成功例だろう。

f:id:wahoo910:20210420190625p:plain

もちろん育成論として根性賢さ育成はうんぬんかんぬん、はあるにせよ、

この時狙っていたのは「キングヘイロー賢さ根性育成」だったので、

そういう意味では成功だ。

 

教訓①:狙った練習のレベルが集中して上がるように!

狙ってない練習がレベル2になってから要注意!

 

・編成が偏っていない

f:id:wahoo910:20210420191124p:plain

そもそも、「スピードばっか育てるぞ!」といいつつ、デッキは

スピ2パワ2スタ1賢さ1とまんべんなく広がるデッキだ。

そうなると、こうなったときにどうしても悩む。

f:id:wahoo910:20210420191252p:plain

 

で、こうなったときに、ずっと本当に欲しい練習(ここだとスピード)を

選び続けられていたらいいが、ついつい他の友情が光っていると

そっちも反応してしまう。

「いや、3択になったらさすがにスピード選ぶよ~」と思うかもしれない。

しかし、こうではなく、こう↓ならどうだろう。

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・スピードは欲しい

・しかし、スタミナも低いし、パワーももう少し足りない。

・パワーのレベルが低い。

・パワーのレベル上げてスタミナあげたいな…。

 

となって結局パワーを選んでしまった。

まあ、そもそも「方針を決めてない」のが不味い。

先の編成でも、別に「極力スピードを優先し、余裕があれば他のステータスも取りに行く」あるいは「2番目にパワーを優先する」とか決めていればよかったが、そういう方針を決めていなかったので、目の前の友情練習などに釣られて、先のようなまんべんなくレベルが上がってしまうような形になってしまう。

 

 

教訓②:デッキも偏らせよう!

または、必ず練習の方針をしっかり決めよう!

 

・レースを参考にする

f:id:wahoo910:20210420192542p:plain

直前の大阪杯(中距離)は勝っているのだが、その一個前の長距離である

有馬記念を見てみると、接戦ではなく、最後あきらかに落ちてしまっている。

しかし、一応2位ではあったので、ここをあまり重要視していなかった。

ここに既にヒントはあったのだ。

レースに負けるのには必ず理由があり、それが

・馬群に飲まれた

・絶不調のまま試合に行ってしまった

・賢さはある程度あるのに、やたらかかりまくった、スキルがやたら発動しなかった

など、明確な理由が分かっていたり、「不運」が原因ならスルーしていいが、

2位でも必ずそれに理由があるのである。

 

教訓③:レースをしっかり見よう!必ずそこに理由がある

 

 

・終わりに。

というわけで。

以下の教訓を改めて振り返り。

 

教訓①:狙った練習のレベルが集中して上がるように!

狙ってない練習がレベル2になってから要注意!

教訓②:デッキも偏らせよう!

または、必ず練習の方針をしっかり決めよう!

教訓③:レースをしっかり見よう!必ずそこに理由がある

 

という感じであります。

これを参考にしていたら、とりあえず「育成失敗」は防げるんじゃないのかなと思います!

 

以上!よろしくお願いいたします。!!



 

 

 

 

 

 

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